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3Sがもたらした効果
1人1日30分のモノ探しの時間を削減!
整頓を始める前の弊社は、なんと社員1人あたり平均1日30分もモノ探しに費やしていました。弊社の社員数は当時12名でしたから、1年間では
30分×12名×268日=96,480分
実に1608時間をモノ探しにあてていたことになります。
工場見学者殺到! 社員のモチベーションがアップ
弊社では月2回、工場見学会を行っています。これまでに通算300回以上開催、延べ7,000名以上の方々が見学に訪れました。
このようなことは、3S活動に取り組む以前には考えられませんでした。
2004年10月に大阪フロンティア特別賞を受賞したことが金属産業新聞に掲載されると、様々なメディアから取材を受けるようになりました。2007年末には、テレビの取材設けました。NHK総合の「未来観測 つながるテレビ@ヒューマン」という番組の、年末の大掃除特集「スッキリ生活で日本経済が発展する!!」で取り上げられたのです。
社外から注目されれば、俄然、3S活動へのやる気も違ってきます。社員が熱心に3S活動に取り組むようになり、さらに注目をされるという好循環が生まれています。
人材不足の悩みから開放された
マスコミが取り上げてくださることが弊社の知名度アップにつながっているのは、いうまでもありません。おかげさまで弊社は、地元の金型メーカーとしては多少なりとも知られる存在となりました。
すると、決して多くはありませんが、「枚岡合金工具に就職したい」という若者が出てくるようになりました。もちろん大手のブランド企業のようにはいきませんが、求める人材の獲得が容易となったのです。
社員が変化を恐れなくなった
弊社の社員は金型づくり、つまり与えられた業務を遂行する能力については優秀でした。しかし、変化を恐れず自ら改革をする能力が欠けていました。職人気質で、どちらかといえば変化を受け入れない体質がありました。その結果が、バブル崩壊後の経営不振なのです。
今は違います。社員の中に自らが問題点を発見し、改善しようという考え方が定着しました。
3S活動の取り組みでは、「まず、やってみる」ことから始まります。すると、次々とやるべきことが見えてきて、結果的に大きな改善につながるのです。
例えば、床を塗ると壁の汚れが気になるようになり、床を塗ると天井の汚れが気になり、天井を塗ると配線が気になるようになり…と、次々と打つ手が見えてくるのです。このような成功体験が、社員を変えたのです。
工場が会社のセールスマンに
工場にたくさんの見学者が訪れるようになると、そこでであった方々に取引先を紹介していただくことも増えてきました。仕事で金型が必要になったときに、弊社を思い出してくださるのです。
しかし、紹介だけで受注できるほど、仕事は甘くはありません。紹介を受けると、担当者が弊社の金型の品質を確かめにやってきます。
ここで3S活動の取り組みが威力を発揮するのです。
工場に入ると、ゴミは1つも落ちていません。床はピカピカに輝いています。製品や工具はもちろんのこと、スリッパなどの備品にいたるまで整備された環境のなかで、社員がテキパキと仕事をしています。
その様子を見ていただくと、受注が決まります。
工場のなかがこれだけしっかり整備されているのだから、品質に対しても厳しい管理がなされているに違いないと判断されるのでしょう。
「この会社なら大丈夫」
3S活動は最高のセールスマン。工場は最高のショールームなのです。